ハローワークで失業保険の手続きをする流れ|必要書類・受給開始まで解説

失業保険の手続きに向けて、自宅で書類を確認する人 ハローワーク基礎

退職後に失業保険を受けるには、会社から離職票を受け取り、住所を管轄するハローワークで求職申込みと受給資格決定の手続きを行います。申請しただけでは振り込まれません。7日間の待期や必要に応じた給付制限があり、原則4週間に1回の失業認定で、支給対象と認められた日数分が振り込まれます。

一般に「失業保険」「失業手当」と呼ばれていますが、この記事で扱う給付の正式名称は、雇用保険の求職者給付のうち「基本手当」です。この記事では、初めて手続きする人が迷わないように、受給できる主な条件、必要書類、窓口で行うこと、支給までの流れを順番に整理します。

基本手当以外にも受け取れるお金があるか知りたい方は、退職・転職するときにもらえるお金と確認先をご覧ください。退職金や再就職手当などを、自分の状況から確認できます。

最初に確認:この記事が扱う手続きと対象者

この記事は、主に65歳未満で離職し、すぐに働ける状態で次の仕事を探す人の「基本手当」の手続きを扱います。65歳以上で離職した人は、加入区分などにより「高年齢求職者給付金」の対象となるため、基本手当と同じ流れではありません。

病気・けが、妊娠・出産、育児、介護などにより、現在すぐには働けない場合は、通常の申請を進める前に受給期間の延長について相談してください。妊娠中・育児中などであることだけで対象外になるわけではなく、就職する意思と、すぐ働ける状態かどうかで確認します。

失業保険の手続きの全体像

  1. 会社から離職票を受け取る
  2. 住所を管轄するハローワークを確認する
  3. 求職申込みと受給資格決定の手続きを行う
  4. 指定された説明会で、認定日と申告方法を確認する
  5. 求職活動を行い、失業認定を受ける
  6. 支給対象と認められた日があれば、基本手当を受け取る

この手続きと並行して、受給資格決定日から失業している日を通算7日間数える「待期」があり、離職理由などによっては、その後に給付制限が加わります。説明会は待期の満了前に行われることも、満了後に行われることもあります。仕事探しを始めるために、待期や説明会の終了を待つ必要はありません。

失業保険を受給できる主な条件

退職しただけで自動的に基本手当が支給されるわけではありません。大きく分けると、次の2つの条件を確認します。

就職する意思と能力があり、求職活動をしている

基本手当は、働く意思があり、健康状態や家庭環境などからすぐ働ける状態で、積極的に仕事を探しているにもかかわらず就職できていない人を支える制度です。

次の就職先がすでに決まっている人、家事や学業に専念する人、自営業に専念している人などは、原則として対象になりません。病気やけが、妊娠・出産、育児、介護などですぐ働けない場合は、基本手当をすぐ受ける手続きではなく、受給期間の延長を検討します。

必要な雇用保険の加入期間がある

原則として、離職日以前の2年間に、雇用保険の被保険者期間が通算12か月以上必要です。倒産・解雇などによる離職や、契約更新を希望したのに更新されなかった場合など、特定受給資格者または特定理由離職者に該当するときは、離職日以前の1年間に通算6か月以上が基準になります。

1か月として数えられる条件や、以前勤務した会社での加入期間を通算できるかには細かな要件があります。複数の離職票がある場合は、短期間のものも含めてすべて提出し、窓口で確認してもらうのが確実です。

手続きに必要なもの

必要なもの・状況用意するもの
離職票雇用保険被保険者離職票-1・2。複数ある場合はすべて持参する
マイナンバーカードがあるマイナンバーカード
マイナンバーカードがない個人番号確認書類と身元確認書類。例:個人番号が記載された住民票+運転免許証
振込口座の確認本人名義の預金通帳またはキャッシュカード。一部指定できない金融機関がある
写真6か月以内に撮影した正面上三分身、縦3.0cm×横2.4cmの写真2枚。省略条件は下記参照

会社から受け取る書類がまだそろっていない場合は、退職時にもらう書類の一覧と受け取り方で、会社への頼み方や届かない場合の確認先を確認できます。

写真は、初回の受給手続きと、その後の支給申請のたびにマイナンバーカードを提示する場合に省略できます。カードを持っているだけで自動的に省略されるわけではありません。

紙の通帳がない場合は、キャッシュカードを用意します。通帳もキャッシュカードも発行されない口座の場合は、金融機関名・支店名・口座番号・名義を確認できるものを整理し、何を持参すればよいか管轄窓口へ事前に確認してください。アプリ画面や印刷物だけで必ず受け付けられるとは限りません。

利用できない金融機関や、本人確認書類の組み合わせもあるため、手続き前に厚生労働省の「離職されたみなさまへ」で現行の必要書類を確認してください。

離職票が届かない場合

まず会社に、離職票の交付手続きが済んでいるか確認します。交付を希望しているのに会社が手続きをしない、または連絡しても届かない場合は、住所を管轄するハローワークへ相談してください。基本手当の受給期間は原則として離職日の翌日から1年間なので、離職票を待ったまま長期間放置しない方がよいでしょう。

失業保険を受け取るまでの流れ

1.離職票の内容を確認する

離職票が届いたら、氏名などの基本情報だけでなく、離職理由と離職前の賃金額を確認します。離職理由は、給付制限や所定給付日数などに影響することがあります。

会社が記載した離職理由に異議がある場合は、手続き時にその旨を申し出ます。離職理由は会社の記載だけで確定するものではなく、本人と会社双方の主張や確認資料を踏まえてハローワークが判断します。退職勧奨の記録、雇用契約書、就業規則、メールなど、事情を確認できる資料があれば持参してください。

2.住所を管轄するハローワークを確認する

一般的な求職申込みはどのハローワークでも受け付けていますが、雇用保険の受給手続きは原則として住所を管轄するハローワークで行います。最寄りの施設と管轄施設が同じとは限りません。

ハローワークインターネットサービスの「ハローワーク等所在地情報」から管轄施設を確認し、雇用保険を担当する窓口と受付時間を確認してから向かいましょう。

一般相談の受付と雇用保険手続きの受付は、同じとは限りません。来所前の確認事項は、「ハローワークは予約なしでも使える?利用条件と注意点を解説」でも整理しています。

3.求職申込みと受給資格決定の手続きを行う

ハローワークでは求職申込みを行い、離職票などの必要書類を提出します。窓口では、雇用保険の加入期間、離職理由、すぐ働ける状態かなどが確認され、受給資格が決定されます。

求職情報は自宅のパソコンやスマートフォンから事前に登録できます。ただし、オンラインで求職登録を完了しても、雇用保険を受給するにはハローワーク窓口で追加の手続きが必要です。

4.雇用保険説明会に参加する

指定された雇用保険説明会で、受給手続きの進め方、認定日の確認方法、求職活動、就職した場合の申告などについて説明を受けます。受給資格者証など、今後の認定に必要な書類も交付されます。

説明会の日程や実施方法は、手続きをしたハローワークの案内に従ってください。

5.求職活動を行い、失業認定を受ける

基本手当を受けるには、原則として4週間に1回、指定された認定日に失業認定を受けます。失業認定申告書に、求職活動、就職・就労、アルバイト、内職や手伝いなどの状況を記入し、受給資格者証とともに提出します。

求職活動実績の例は、求人への応募、ハローワークでの職業相談、ハローワークが行う就職支援セミナーへの参加などです。インターネットで求人を閲覧するだけでは、求職活動実績にはなりません。活動した日・相談先・応募先などを記録し、自分に指定された認定対象期間と必要回数を確認して進めてください。

通帳・キャッシュカードの案内や、求職活動として認められる活動の例は、ハローワークインターネットサービスの「雇用保険の具体的な手続き」でも確認できます。給付制限期間は離職日によって異なるため、この記事の次節と厚生労働省の最新案内を参照してください。

6.支給対象の日数分が振り込まれる

失業認定で支給対象となる日があると、その日数分の基本手当が本人名義の口座へ振り込まれます。厚生労働省の案内では、振込までの期間は金融機関によって異なりますが、おおむね1週間程度とされています。

初回の認定を受ければ、必ず振り込まれるわけではありません。対象期間がすべて待期・給付制限に当たるなど、支給対象の日がなければ振込はありません。「支給対象になり始める日」と「口座に入金される日」は別で、初回入金は待期・給付制限と認定日の組み合わせによって変わります。

7日間の待期と給付制限は、支給対象になる時期を決める

待期は、受給資格決定日から失業している日が通算7日間に達するまでの期間です。離職理由にかかわらず、この間の基本手当は支給されません。待期中に働くと数え方に影響する可能性があるため、短時間の仕事や手伝いも含めて申告してください。

主な離職理由支給開始までの基本的な考え方
解雇、倒産など求職申込みと受給資格決定後、7日間の待期を経て支給対象になる
正当な理由のない自己都合退職7日間の待期に加え、原則として給付制限がある
病気、家族の介護、雇い止めなど、やむを得ない事情がある離職特定理由離職者などに該当する可能性があり、資料をもとにハローワークが判断する

2025年4月1日以降に正当な理由なく自己都合で離職した場合、給付制限は原則1か月です。ただし、離職日からさかのぼる5年間に、正当な理由のない自己都合離職で2回以上受給資格決定を受けている場合は3か月になります。また、自分の責任による重大な理由で解雇された「重責解雇」も3か月です。

また、2025年4月以降に対象となる教育訓練等を受ける場合は、自己都合退職による給付制限が解除されることがあります。訓練なら何でも対象になるわけではないため、受講前または受給手続きの際にハローワークへ相談してください。

初回の入金時期を知りたい方は、失業保険をできるだけ早く受け取るための確認事項もご覧ください。離職票が届かない場合の仮手続きや給付制限の解除、窓口で確認する日程をまとめています。

受け取れる金額と日数を確認する

1日当たりの金額を「基本手当日額」、受け取れる日数の上限を「所定給付日数」といいます。日額は原則として離職前6か月の賃金をもとに計算され、年齢などに応じた上限額・下限額があります。

所定給付日数は、離職理由、年齢、雇用保険の被保険者だった期間などにより異なります。一般の自己都合退職などでは90日・120日・150日の区分がありますが、倒産・解雇、一部の契約更新がされなかった離職、就職困難者などは別の区分になることがあります。

実際の日額と所定給付日数は、受給資格決定後に交付される書類で確認してください。

受給期間は「受け取り続けられる日数」ではなく期限

受給期間は、基本手当を受け取ることができる期限の範囲で、原則として離職日の翌日から1年間です。申請した日から1年間ではありません。

例えば所定給付日数が90日なら、原則1年間という期限内に、条件を満たした日について最大90日分を受け取るという意味です。1年間ずっと支給されるわけではなく、申請が遅いと日数を残したまま期限を迎えることがあります。受給期間満了日も交付書類で確認しましょう。

すぐ働けない場合は受給期間延長を確認する

病気やけが、妊娠・出産、3歳未満の育児、親族の介護などによって30日以上働けない状態が続く場合は、受給期間を延長できることがあります。

これは、働けない期間中に基本手当を受ける制度ではありません。働ける状態になってから受給できるよう、受給できる期間を後ろへ延ばす手続きです。申請が遅れると所定給付日数をすべて受け取れない可能性があるため、該当しそうな場合は早めに管轄のハローワークへ相談してください。

アルバイトや就職が決まったら必ず申告する

受給手続き後にアルバイト、パート、内職、手伝いなどをした場合は、名称や報酬の有無だけで自己判断せず、失業認定申告書に記載します。週の労働時間や雇用の見込みによっては就職と判断される場合があり、働いた日や収入額によって支給日や支給額が調整されることもあります。

就労や収入を申告せずに基本手当を受けると、不正受給として返還や追加納付などの処分を受ける可能性があります。判断に迷う働き方を始めるときは、開始前にハローワークへ確認する方が安全です。

よくある質問

退職前に失業保険の申請はできますか?

基本手当の受給資格決定は、離職後に離職票などを提出して行います。退職前でも仕事探しや一般的な相談はできますが、基本手当の申請そのものは離職後です。

応募したい会社がまだ決まっていなくても相談できますか?

相談できます。具体的な応募先が未定でも、希望条件の整理や職業相談から仕事探しを進められます。ただし、基本手当には就職する意思と、すぐ働ける状態で積極的に求職活動をしていることが必要です。「しばらく働くつもりはない」という状態とは区別してください。

最初に行うことを整理する

  • 離職票-1・2が届いているか確認する
  • 離職理由と賃金額に誤りがないか確認する
  • 住所を管轄するハローワークを調べる
  • マイナンバー・本人確認の書類、本人名義の通帳またはキャッシュカード、必要な場合は写真を用意する
  • すぐ働けない事情がある場合は、通常の受給手続きではなく期間延長について相談する

基本手当の手続きは、給付の申請と仕事探しが一体になっています。受給資格決定後は認定日を待つだけではなく、指定された方法で求職活動を進めます。ハローワーク以外の求人も含めて探す場所を整理したい場合は、「仕事はどこで探す?求人サイト・ハローワークなど7つの方法」も確認してください。

制度内容・必要書類は2026年9月20日時点の厚生労働省およびハローワークインターネットサービスの案内を確認しています。個別の受給資格、離職理由、日額、支給開始日は、住所を管轄するハローワークで確認してください。

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