60代から仕事を探すときは、年齢だけで求人サイトを選ぶより、どのくらい働きたいか、どの仕事なら無理なく続けられるかを先に決める方が探しやすくなります。
定年前後でまだ会社に勤めている人は、現在の勤務先で継続して働く選択肢を確認しましょう。新しい勤め先を探すなら求人サイトやハローワーク、短時間・短期間の地域の仕事を希望するならシルバー人材センターも候補です。
この記事では、60代・定年後の仕事の探し方を、雇用形態と仕事内容から整理します。シニア向け求人を探せる6サービスと、公的な相談窓口の違いも比較しました。
この記事の制度・サービス情報は2026年9月に公式サイトで確認しています。制度や検索条件は変わることがあるため、応募・利用前にリンク先の最新情報も確認してください。
最初に「どのように働きたいか」を整理する
同じ60代でも、希望する働き方はさまざまです。週5日働いて収入を確保したい人と、生活のリズムを保つために週2日ほど働きたい人では、合う探し方が違います。
| 希望する働き方 | 主な探し方 | 先に確認すること |
|---|---|---|
| 今の会社で続けて働く | 勤務先の人事・総務へ確認する | 仕事内容、勤務日数、賃金、契約期間 |
| 別の会社で正社員・契約社員として働く | 求人サイト、ハローワーク、企業の採用ページ | 経験を生かせる仕事、定年、契約更新 |
| アルバイト・パートで働く | 総合求人サイト、パート向けサイト、ハローワーク | 勤務時間、週の日数、通勤、体への負担 |
| 派遣で働く | 派遣求人サイト、派遣会社 | 派遣元、派遣先、契約期間、担当業務 |
| 1日・短時間だけ働く | スポットワークサービス | 仕事内容、雇用主、労働条件、移動時間 |
| 地域の短期的な仕事をする | シルバー人材センター | 契約の形、仕事の内容、報酬、就業頻度 |
勤務日数や扶養内などの条件を中心に探す人は、「アルバイト・パート求人サイトを比較|年代・働く時間・仕事内容から選ぶ」も参考になります。倉庫の仕分けや検品、品出しなどを検討している人は、「軽作業の求人サイトを比較|仕分け・検品・梱包の仕事の探し方」で作業内容ごとの注意点を確認できます。
派遣で働きたい人は、「派遣の仕事はどこで探す?派遣求人サイトと派遣会社8サービスを比較」で雇用関係や登録の流れを確認できます。1日・短時間の仕事を探す人は、「スポットワークアプリを比較|スキマバイト・単発の仕事の探し方」も参考にしてください。
他の職種や働き方も含めて求人サービスを選びたい人は、「求人・転職サービスを比較|年代・職種・働き方・探し方から選ぶ」へ戻ると、別の切り口から探せます。
定年前後なら現在の勤務先を先に確認する
定年前後で在職中なら、求人を探し始める前に、現在の会社の定年制度と継続雇用制度を確認します。仕事内容や賃金が変わる場合もあるため、「残れるか」だけでなく、定年後の労働条件を書面で確かめることが大切です。
定年を65歳未満に定めている会社には、希望する人が65歳まで働けるよう、定年の引き上げ、継続雇用制度の導入、定年制の廃止のいずれかの雇用確保措置が求められています。一方、70歳までの就業機会を確保する措置は努力義務であり、「すべての会社で70歳まで雇用される」という制度ではありません。制度の内容は、厚生労働省「高年齢者の雇用」で確認できます。
今の会社で働き続ける条件と、別の会社へ移る条件を同じ表にして比べると判断しやすくなります。月給だけでなく、勤務日数、通勤時間、仕事内容、社会保険、契約更新の基準も並べてください。
60代の求人を探せる6サービスを比較
掲載順はランキングではありません。広く検索できるサービスと、中高年・シニア向けの条件を探しやすいサービスでは役割が違います。まず2つほど選び、同じ勤務地と仕事内容で検索して比べてみましょう。
| サービス | 主な特徴 | 向いている人 | 確認したい点 |
|---|---|---|---|
| 求人ボックス | さまざまな掲載元の求人を横断して検索 | 雇用形態や職種を限定せず広く見たい人 | 掲載元、応募先、雇用主 |
| Indeed | キーワードと勤務地を組み合わせて検索 | 経験や希望条件を言葉にして探したい人 | 掲載元と応募後の連絡先 |
| マイナビミドルシニア | 40代・50代・60代向けの求人を掲載 | 雇用形態を広げて地域の求人を探したい人 | 仕事内容、雇用形態、契約期間 |
| シニアジョブ | 50代以上を歓迎する求人を職種別に検索 | 経験を生かせる求人も含めて探したい人 | 応募条件、定年、契約更新 |
| はた楽求人ナビ | 中高年・シニア向けの求人を働き方や特徴から検索 | 勤務時間や仕事の特徴から選びたい人 | 雇用形態、立ち仕事、接客、勤務日数 |
| シフトワークス | 勤務日数・時間や「60代活躍中」などの条件で検索 | シフトを絞ってアルバイト・パートを探したい人 | 雇用主、シフト、仕事内容 |
職種や雇用形態を限定せず広く探したい人向け
求人ボックス|複数の掲載元をまとめて見る
求人ボックスでは、求人サイトや企業の採用ページなどに掲載された求人をまとめて検索できます。「60代」だけで探すのではなく、「設備管理 経験者」「清掃 午前のみ」「事務 週3日」のように、仕事内容と条件を組み合わせて検索する使い方が向いています。
検索結果には、正社員、アルバイト・パート、派遣などが含まれます。求人ボックス内で応募する求人と掲載元へ移動する求人があるため、応募前に掲載元、雇用形態、雇用主を確認してください。
Indeed|経験や希望条件をキーワードにする
Indeedでは、キーワードと勤務地を指定して求人を検索できます。職種名だけでなく、「定年なし」「週3日」「午前のみ」「資格を生かす」など、希望する条件を加えて探せます。
同じ企業や似た求人が複数の掲載元から表示されることもあります。会社名、勤務地、仕事内容が同じときは、掲載元と応募先を見比べ、重複応募を避けましょう。
中高年・シニア向けの条件から探したい人向け
マイナビミドルシニア|地域と働き方から探す
マイナビミドルシニアは、40代・50代・60代向けの求人サイトです。正社員、契約社員、アルバイト・パート、派遣などを含め、地域や職種から求人を探せます。
「60代向け」という表示は、応募先を見つける目安です。応募後には書類選考や面接があります。経験や資格が必要か、何歳まで働ける制度か、契約更新は何を基準に判断されるかを求人ごとに確認します。
シニアジョブ|経験を生かせる求人も探す
シニアジョブは、50代・60代・70代以上を歓迎する求人を扱うサイトです。勤務地、職種、雇用形態などから検索でき、正社員や契約社員、パート・アルバイトなどを比べられます。
会計、施工管理、調理、医療・介護など、これまでの実務経験や資格を生かせる求人を探す場合にも候補になります。求人票では、必要な経験年数、担当する業務、勤務時間、定年や契約更新の条件を確認してください。
はた楽求人ナビ|仕事内容の特徴からパートを探す
はた楽求人ナビは、中高年・シニア向けのアルバイト・パート求人を探せるサイトです。勤務地や職種に加え、家の近く、接客なし、座り仕事など、希望する働き方に関係する条件から検索できます。
実際の作業負担は、同じ検索条件でも職場ごとに違います。座り仕事でも細かな手作業が続く場合があり、接客なしでも電話対応を含む場合があります。求人詳細を読み、面接でも1日の仕事の流れを確認しましょう。
シフトワークス|勤務日数や時間帯を絞って探す
シフトワークスでは、勤務地や職種のほか、週の勤務日数、時間帯、「60代活躍中」などの条件からアルバイト・パート求人を探せます。生活の予定に合わせてシフトを絞りたい人に使いやすいサービスです。
「60代活躍中」は、職場で働く人の年代を知る手がかりです。自分に合うかどうかは、仕事内容や勤務条件で判断します。立ち仕事の時間、重い物を扱うか、早朝・夜間勤務があるかも確認してください。
ハローワークの生涯現役支援窓口で相談する
地域の求人を相談しながら探したい人は、ハローワークも利用できます。全国の求人は、ハローワークインターネットサービスから検索できます。
全国の主要なハローワークには、おおむね60歳以上の求職者を対象とする「生涯現役支援窓口」があります。在職中でも仕事を探している人は利用でき、職業相談、求人紹介、職場見学や面接会などの支援を受けられます。窓口によって対象年齢や支援内容が異なるため、所在地と対象は厚生労働省「生涯現役支援窓口について」で確認してください。
希望する仕事がまだ決まっていなくても、相談できます。「週3日まで」「通勤30分以内」「重い物を運ぶ仕事は避けたい」のように、働ける条件を伝えると求人を絞りやすくなります。初めて行く人は、「ハローワークへ行く前の持ち物・服装・事前準備」も確認してください。
シルバー人材センターは雇用契約の違いを確認する
シルバー人材センターは、地域の高齢者へ、臨時的・短期的または軽易な仕事を提供する仕組みです。庭の手入れ、清掃、施設管理、家事援助、事務など、センターや地域によって扱う仕事が異なります。
請負・委任の仕事では、発注者と会員の間に雇用関係がなく、発注者が会員へ直接指揮命令する仕組みではありません。一方、仕事によっては労働者派遣や職業紹介を通じて雇用契約を結ぶ場合もあります。一般的なアルバイトとは契約が異なるため、仕事を受ける前に契約の形、作業範囲、報酬、保険を確認してください。仕組みは、全国シルバー人材センター事業協会「仕事のしくみ」で確認できます。
決まった曜日に安定して雇用されたい人は、求人サイトやハローワークの方が希望に合うことがあります。地域とのつながりや短期的な仕事を重視する人は、居住地のシルバー人材センターで入会条件と現在の仕事を確認しましょう。
年齢を仕事内容と勤務条件に置き換えて探す
仕事は年齢だけで決めず、勤務時間や体への負担、これまでの経験を基準に選びます。同じ職種名でも職場によって仕事の範囲が違うため、求人票では具体的な作業を確認してください。
| 仕事の例 | 経験を生かせる点 | 応募前に確認すること |
|---|---|---|
| 事務・受付 | 事務処理、接客、電話対応、業界経験 | パソコン操作、電話対応の割合、座る時間 |
| 清掃・施設管理 | 丁寧な作業、設備や建物の知識 | 担当範囲、階段、屋外作業、早朝勤務 |
| 警備 | 接客、案内、安全管理の経験 | 立ち仕事、屋外勤務、夜勤、研修 |
| 運転・配送 | 運転経験、地域の知識、接客 | 必要免許、運転時間、荷物の重さ、点呼 |
| 軽作業・品出し | 正確さ、商品や物流の知識 | 重量物、歩く距離、室温、作業速度 |
| 介護・生活支援 | 介護経験、家事、対人対応 | 資格、身体介助の有無、夜勤、担当業務 |
「シニア歓迎」「60代活躍中」は応募先を見つける手がかりです。仕事内容の軽さは別に確認します。面接では、1日の流れ、立つ時間、運ぶ物の重さ、休憩、残業の有無を具体的に聞きましょう。
年金と社会保険は応募前に個別確認する
働き始めた後も年金を受け取れます。ただし、老齢厚生年金を受け取りながら厚生年金に加入して働く場合は、賃金と老齢厚生年金の月額の合計に応じて、老齢厚生年金の一部または全部が支給停止になることがあります。この仕組みは在職老齢年金と呼ばれ、2026年4月から支給停止を判定する基準額は月65万円になりました。老齢基礎年金はこの調整の対象ではありません。計算方法は、日本年金機構「在職老齢年金制度の見直し」で確認できます。
短時間で働く場合も、勤務先の規模、週の所定労働時間、賃金などによって健康保険・厚生年金の加入対象になることがあります。2026年9月時点では所定内賃金が月額8.8万円以上という要件がありますが、2026年10月にこの賃金要件は撤廃予定です。企業規模の要件も今後段階的に変わります。古い金額だけで判断せず、応募先へ加入の有無を確認し、必要なら日本年金機構「短時間労働者の厚生年金保険・健康保険の適用」や年金事務所で確かめましょう。
年金、税金、社会保険は、年齢だけでなく、受け取っている年金の種類、賃金、勤務時間、家族の状況で扱いが変わります。「働くなら収入を抑えた方がよい」と先に決めず、予定する労働条件をもとに個別に確認します。
応募前に確認したい7項目
- 雇用主と実際に働く場所
- 具体的な仕事内容と1日の流れ
- 勤務日数、勤務時間、残業
- 賃金、交通費、給与の支払日
- 契約期間、更新基準、定年
- 健康保険・厚生年金・雇用保険への加入
- 立ち仕事、重量物、屋外勤務、夜勤などの負担
求人票の応募条件を満たしていれば、年齢の記載がない求人へ応募できます。募集・採用では、例外事由に当たる場合を除き、年齢制限が原則として禁止されています。詳しくは、厚生労働省「募集・採用における年齢制限禁止について」で確認できます。
60代の仕事探しでよくある質問
60代でも一般の求人サイトを利用できますか?
利用できます。総合求人サイトでは、仕事内容、勤務地、雇用形態などから探してください。シニア向けサイトも併用すると、60代を歓迎する求人を見つけやすくなります。
未経験の仕事にも応募できますか?
求人の応募条件を満たしていれば応募できます。「未経験可」だけでなく、研修内容、仕事を覚えるまでの支援、必要な体力、資格取得の時期も確認しましょう。これまでの経験を、接客、調整、作業の正確さなど別の仕事でも使える力に言い換えることも役立ちます。
シルバー人材センターの仕事はアルバイトですか?
請負・委任の仕事では、センターの会員と発注者の間に雇用関係はありません。労働者派遣や職業紹介を通じて、雇用契約を結ぶ仕事もあります。仕事ごとに契約の形を確認してください。
働きながら年金を受け取れますか?
年金を受け取りながら働くことはできます。ただし、老齢厚生年金を受け取りながら厚生年金に加入して働く場合は、賃金と年金額により支給額が調整されることがあります。自分の見込み額は、年金事務所やねんきんダイヤルなどで確認してください。
いくつの求人サービスに登録すればよいですか?
最初は2つ程度で十分です。広く探せるサービスを1つ、希望する働き方や年代に合うサービスを1つ選ぶと比較しやすくなります。連絡や応募履歴を管理できる範囲で追加してください。
まとめ
60代・定年後の仕事探しでは、最初に雇用契約のある仕事を希望するのか、地域の短期的な仕事も含めるのかを決めます。在職中なら勤務先の継続雇用制度、新しい勤め先を探すなら求人サイトとハローワーク、臨時的・短期的な仕事ならシルバー人材センターを確認してください。
求人は、仕事内容、勤務日数、通勤、体への負担、収入、契約期間を同じ条件で比べます。まず希望する条件を3つに絞り、総合型とシニア向けのサービスで実際の求人を検索してみましょう。
求人サイト以外の探し方も含めて整理したい人は、「転職先はどうやって探す?7つの見つけ方と自分に合う方法の選び方」も参考にしてください。


